2013年03月04日

ドイツよりお久しぶり

ブログとても間が空いてしました。かれこれ「11月のバッハ」以来となってしまい申し訳ありません。秋学期も終わりバタバタとしておりましたが、先週一週間実はドイツにいました。昨日で予定を全て終了し、今日本へのフライトを前にパソコンに向かっているところです。

大学に許可を頂き、多方面(特に家族!)の理解を得、日常から1週間程離れドイツに来ました。訪ねたのはマインツ大学ドレスデン聖十字架教会合唱団です。直接的には16〜17世紀の古い合唱譜等とその営みを知るための文献調査が目的でした。マインツではマインツ大学賛美歌学研究所 というところに数日籠っていました(研究所と訳すことを先方に了解頂いていますが、正式には「学際的讃美歌集研究グループ」+「讃美歌集アルヒーフ」の合体版)。数日なんて一瞬の出来事。もっと籠っていたい・・と思いつつ後にしました。ここの研究所、ドイツ語圏の賛美歌学研究では随一として知られるところです。ドイツ語圏の古い讃美歌集の収集と保管もしています。私の、楽譜の探し物の目的は一応達せられましたが、それを探す過程で、興味深い色々な資料にも出会いました。

「ヴォルフガング・ムスクルスの日記(1536年)」。ムスクルスはルター時代のアウグスブルクの牧師、その日記にルターの礼拝を訪ねた時の様子が書き記されていますが、礼拝式順に従い事細かに、何をどう行っていたかを記述しているのです。「またオルガンが演奏され、すると合唱が単声で Victime pascali laudes を歌った。それに続いて会衆がChrist ist erstandenを歌った。するとすぐに牧師が会衆の方へ向き直り、福音書ヨハネ16:5-15をドイツ語で朗読した。・・・」。私は目を鱗のようにして読みました。この時代としては稀で貴重な資料です。ルターが礼拝がどのように改革したかは、礼拝式順である程度わかりますが、実際にその礼拝をどのように生きていたか、という実際的なことを知る資料は非常に少ない。当時の人々にとっての礼拝とは何だったのか?初めて自国語で歌う会衆歌唱はどのように営まれていたのか?・・疑問と興味が更に噴き出てきました。まず帰りの飛行機の中でもう少し読み進めます。。。

もう一つの発見は「ハンブルクメロディー讃美歌集(1604年)」。この実物を手に取った時は感動的でした。実は私の授業のレジュメにもこの讃美歌集のこと載せています。歴史的にこの讃美歌集の意義を自分も知っている、すわわち「会衆歌唱をオルガン伴奏で行った」ことの証拠が歴史上初めて確認されるのが、この讃美歌集の序文なのです。

マインツを出た後は週末ドレスデンに行きました。訪ねたのはドレスデン聖十字架教会合唱団カントールのローデリヒ・クライレ氏。この合唱団は2年に一度日本に演奏旅行に来ますね。つい昨年末も来て、桜美林大学音楽専修で推薦し学生が何人か演奏会に行きました。この合唱団、ライプツィヒトーマス教会合唱団と並び、ドイツで最も古い少年聖歌隊として知られています(1300年頃から活動)。ハインリヒ・シュッツゆかりの教会でもあります。で、実はこの合唱団の練習施設を訪ねた日は、合唱団に入団しようとする3年生が初めて訪ねるオープンデーの日でした。副指揮者の方がレッスンをするのを少し見させて頂いた後、クライレ氏と二人で色々話し込みました。私が16-17世紀の楽譜等調査の関連で何故ドレスデンかと言うと、シュッツ時代の礼拝の実態、そしてその伝統の線上にあるこの教会での課題等に興味があったからです。「17世紀当時の会衆歌唱の営みと合唱の関係。その実態は? シュッツ時代の礼拝の実際等の資料は?」などと言う私の直球にクライレ氏もうなっていました(笑)。「確かに資料が少ないですよね」と頷きながら、私のテ−マに興味を持って下さり色々とアドバイスを頂きました。日曜日にはそのザクセンの礼拝式で、生き生きとした会衆と合唱の歌唱に背中を押され感謝しました。

そんなこんなでドレスデンを後にしましたが、この合唱団の歴史を調べることで出てくることがあるかも。。と気付いた次第。リサーチはまだまだこれからです。

ブログでお分かちしてきたように、2005年から昨年までは、讃美歌集編纂に時間とエネルギーが必要な7年間でした。現在を生きる教会と会衆の課題として、礼拝の在り様を問い続けながら讃美歌を問う。讃美歌集発行のその瞬間から見直しの作業が始まっている訳で、その作業が一段落したという訳ではありません。しかし讃美歌集発行は、やはりどこかで一段落のタイミングであったことも事実。自分自身少し立ち止まり、これからもっと現実的な課題に向き合っていかなければならない。だからこそ基礎研究の積み上げの必要性を覚えると共に、まだまだ解明されていない多くのことがある中で自分に問われている課題は何だろう、と考えていたのです。

11月以来の「教会音楽な日々」個々のテ−マは、、としては、教会福音讃美歌奉献礼拝、メサイア、ゼミ生の発表テーマ、札幌再び(!?)などなど。。また書きます。特に「奉献礼拝」に関しては、裏方の音楽的コーディネートの話をどこかでお分かちすべき、と思っています。

という訳で、まもなくあと3時間程で出発し帰り日常に戻ります。

かんとーる@うえき
posted by かんとーる@うえき at 18:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/63320836

この記事へのトラックバック